- 奈良時代から現在に至るまで続けられており、酷暑により心身が疲れたり、気力が衰えるなどして、病気や災難を受けやすくなる為、罪穢を祓い去り、新たな清々しい気持ちで残る半年の生活を切り開いて行けるよう祈願する神事です。
~
~遠い遠い昔、
泊まる宿に困られていた武搭神は、ある集落に入り、そこにいたひとりに
「今日一日泊めてくれまいか」とお願いなさいました。
とても裕福に暮らしていたその者は、しかし、それを断ったのです。
武搭神は、その者の兄である『
「泊めてくれまいか」とお願いなさいました。
非常に貧しい暮らしをしていた蘇民将来でしたが、この者は
快くそれを受け入れ、貧しいながらも武搭神に食事も差出しました。
宿泊の後、武搭神はまた旅に出て行かれました。
数年が経ったころ、武搭神はまたその集落に戻って来られたのです。
そして、こうおっしゃいました
「私の名はスサノオである。」
「この集落に疫病が入って来たら、この茅ノ輪を腰に下げるがよい。」
そう言い残して、また、旅に出られました。
その後、スサノオが言ったとおり、その集落に疫病が流行りました。
それまで裕福に暮らしていた弟の家族は生き絶えましたが、
茅ノ輪を身につけていた兄の蘇民将来の家の者は、病気に犯されることなく
子々孫々まで幸せに暮らしたのです~
「参考:備後国風土記」
上記はおおまかな話の流れですが、ここに茅ノ輪の伝承の始まりが記されています。
困っている人がいたら、その人の気持ちになり、協力し、助け合うべきであり、身体だけで
はなく、心も常に清らかにしておくべきであるという、我々日本人の古くからの考えがここ
に見えてきます。
茅ノ輪は、時代が下がり、現在のような人のくぐれる大きな物となり、また、人形を使い
祓いを行うものとして現在まで連綿と続いております。
自らの穢れを祓い、災いを除けるという思想は、令和の代に入ってもかわることはな
く、そして未来永劫続いて行くのです。
『水無月の
夏越の祓する人は
千歳の命
延ぶというなり』
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